焼成中の窯のなかの温度は均一ではなくて、上と下ではずいぶん違います。
同じ土、同じ釉薬でも、窯のどこに置いたかで焼き上がりがかわってきます。
高温のところもあれば、あまり温度があがらない場所もあったり。
リダクション(還元)がよくかかるところもあればそうでないところもあったり。
それはもうどうしてもしかたのないことなので、
無理して上から下までおんなじ温度をめざすピースを入れたりせずに、
逆にその温度差を利用することにしています。
この茶色いピースはいつも電気窯で焼成していたのですが、
あるとき、高温で焼くガス窯の一番下、温度が低めのところに入れてみたら、
なかなか気に入った色に仕上がったので、
それ以来、ガス窯のいちばん温度の低いところで焼いています。