2015年最後のショウ in Los Angeles

12月の2週目の週末はロサンゼルスでのショウ、今年最後のショウでした。
旅行がつづいたので、車で1時間以内のショウはホッとするなぁ。

ロサンゼルスのショウは今年はこれがはじめて、ちょうど1年ぶり。
ずいぶん久しぶりになってしまいました。


陶芸の販売を始めた頃にいらしてくれていた懐かしいお客さんたちも
久しぶりに立ち寄ってくださり嬉しい。


最後は少し雨が降り出してしまいましたが、
お天気も終わる時間までなんとか持ちこたえてくれて良かった。
アイスもバカ売れするほど、予報よりもずっと暑く感じられた週末になり、
よい締めくくりになりました。

ここからは長くなりますが、
自分のためにのこしておきたいことを綴っておこうと思います。

今回のショウも、夫の自転車アクセサリーと一緒の出展でした。
さあ片付けようという時間から雨が激しくなり、
これは大変な作業になりそうと思いながら大量の荷物をまとめ
少し遠くに停めた車に運び始めたとき、
同じショウに出展していたイラストレーターのKが
自分の搬出を終え家族を見送るところにちょうど出会いました。
Kはわたしたちに手伝うよと言ってくれましたが、
雨がひどすぎて手伝ってもらうのはあまりにも申し訳ないので、
大丈夫、と伝えましたが、
ありがたいことに彼女が一緒に荷物を運んでくれることになりました。

荷物を運びながら、
今日はこのあとどこかで食事でもするの?という話をしていたとき、
彼女は、このあと、帰ってから仕事をしなくてはいけないの、と。
ええ!それは申し訳なさすぎる、と思い、
ここまででもう大丈夫!ありがとう!と言ったら、
いや、帰ってから寝るだけだから、と彼女はあわてて言い直して笑って、
どんどん荷物を運んでくれました。

雨もかなり激しく降るなか、
突然、ちいさなホームレスのおばさんがKのそばに近づいて、なにか尋ねました。
わたしは少し離れていたのでおばさんが何を彼女に聞いていたのか
まったく聞こえませんでした。
Kは、ちょっとチェックしてくるから待ってて、とおばさんに言い残して、
自分の車に近づいて行きました。
車のところでKがしばらく何かガサゴソとやっているので近づいてみると、
寒い中、彼女は着ていたセーターを脱いで半袖になり、
いそいでジャケットを羽織っていました。
おばさんは何をあなたに尋ねたの、とわたしがたずねたところ、
寒いから何か着るものを持っていないかと聞かれ、
このセーターは安物だし、これをあげようと思って、と。
そしておばさんに近づき、さっきまで着ていたセーターを渡すと、
そのちいさなおばさんはお礼を言って去って行きました。

おばさんの後ろ姿をみながら、
彼女はわたしに、こういうの放っておけないんだよね、と言いました。
それを聞いた瞬間から、
わたしの目はかなり赤くなって潤んでしまっていたはずですが、
Kにばれずにすんだのは、雨がザーザーと激しく降っていたおかげでした。

彼女は、その後もきっちり最後までわたしたちの荷物を運んでくれ、
そして、また近いうちにご飯でも!と笑顔で去って行きました。

どしゃぶりの中、友達のお手伝いはできるかもしれない、
でも、このあと仕事があったら最後まできっちりやれただろうか、
作業の途中でホームレスが近づいてきても、いぶかしがったりせずに
気持ちよく助けてあげることはできただろうか、
わたしたちが彼女の立場なら、
自分たちにはここまではできなかっただろうと思います。
彼女にとってはごく日常の当たり前のことなのだと思いますが、
わたしたちよりもずっとずっと若いKに、
この日、ものすごく大事なことを教えられました。

そしてわたしは情けないことに、ショウが終わった日というのは、
お疲れさま〜!と、おいしいものを食べてバタンと寝る日だと
頭から思いこんでいました。
でも、その晩からコツコツともう次に向かって
歩みをすすめるという選択肢もあるんだ、ということもまた、
この日彼女に教えてもらったことでした。

ひどい天気を最初は恨んだわたしですが、
土砂降りだったからこその出来事だったように思います。
ショウを毎年続けてきてよかったなと思う瞬間はこれまでも沢山ありましたが、
このとき一番そう感じたように思います。

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